【Big Bill Broonzy】シカゴブルースの父と呼ばれた偉大なブルースマンを解説。実際弾き語りしてみた。

【ビッグ・ビル・ブルーンジー】Big Bill Broonzyという偉大なブルースマンをご紹介!

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ブルース研究家のダリーです。

 

今回紹介するブルースマンは数々のブルースマンを生んだ街、アメリカ北部のシカゴで「シカゴブルース」の基礎を築き上げた偉大なブルースマン、ビッグ・ビル・ブルーンジーです。

 

洒脱な街の音も取り入れながら、濃厚なギター1本のブルース弾き語りも素晴らしい・・・というかなり守備範囲の広い万能型のブルースマンです。

ビッグ・ビル・ブルーンジーが生涯作曲した曲は300以上と言われています。

ビッグビルブルーンジーという偉大なブルースマンを名曲と共に解説。ギターテクニックもすごい。

いきなりですが、ブルース界隈では「どのブルースマンが一番好きか?」という質問が来たときに、なぜか「ビッグビルブルーンジーです!」と答えにくい空気があります(私が思ってるだけかもしれませんが…)。

 

逆に答えやすいのは「ロバート・ジョンソン」や「マディ・ウォーターズ」ではないでしょうか。

なぜ、こうなるのかはいくつか理由がありそうですが、その一つとして、ビッグビルの「洒脱さ、モダンな感じ」が関係してそうです。

 

特に初期はかなり、軽快なギターと歌を響かせており、ギトギトなデルタブルース感はあまりありません。

皮肉にも、上記のようなちょっとおしゃれな感じゆえに「どのブルースマンが一番好きか?」と聞かれたときの回答としてはちょっと「ビッグビル」と答えにくい雰囲気が生まれるのです(ややこしいファンの世界)。初期はヨーロッパでツアーとかしていたのです(戦前)。

 

その一方、晩年はファン(主に白人)の求めもあって、ビッグビルはバンド形態を離れ、渋すぎる「ブルース弾き語り」に専念することになります。

↑これは洪水の被害で家を失った人たちの悲しみを歌った曲です。

ビッグ・ビル・ブルーンジーのプロフィールと経歴。

ビッグビルは1893年、1898年生まれ説があり、ハッキリとはわかってはおりません。

この時代、職を得るために年齢を上乗せすることは当たり前の時代だったそうです。

ただでさえ、黒人であるだけで就職差別があった時代のこと。

 

最初の録音は1929年。ソロのシンガーとしての録音でした。

他のブルースマンと同様に音楽だけで生活できる時代ではありませんでしたので寝台車のポーターやコックなど様々な職についていたそうです。

 

歌を聞いてますと相当貧乏もしていたようで、職にあぶれることもあったようです。

職業紹介所での露骨な人種差別を嘆いた「Black,Brown,and White」という曲も歌ってます。

1950年代にはたびたびヨーロッパへのツアーも出かけ、白人たちは熱狂したそうで、その辺はこちらのサイト、blues fan.jp に詳しいです。

 

伝説のブルースマン、ロバート・ジョンソンの代役もやったことも…。すごいことですこれは。

関連:伝説のブルースマン、ロバート・ジョンソンは何がすごいのか?大阪のブルースマンが書きます。

ビッグ・ビル・ブルーンジーのすごさがわかる動画集

ビッグビルは当時のブルースマンとしては長生きした方で(1958年他界)、動画も少ないながら残っています。

まずはこれ。1950年代のアメリカ南部の空気感をお楽しみ下さい。親指のしなやかさにもご注目。

ビッグビルの好きなポイントとして、けっこう胸ポケットにペンをさしており、まじめな印象。

しかし字が書けなかったという説もあり、その辺は謎です。知ってる人は教えて下さい。

※字が書けないブルースマンは結構たくさんいます。アルバート・キングとか。

 

続きまして、極めてメロウなバラード、「When did you leave heaven」。ぼくもかなり練習しましたが、この雰囲気はまったく出ません。

モノクロの映像の中でゆらめく紫煙がマジでヤバいです。

ビッグビルブルーンジーはブルースだけではなく、ゴスペル調の歌、教訓的な歌など様々な歌を歌った。

やはり、ビッグビルはかなりまじめなお人柄だったようで、このような教訓的な歌も残されています。

いわく「人にまともに扱って欲しかったら、周囲の人を大切にしなさい」というとても真っ当な内容。

神の愛、そして人間の優しさ、生きる事のはかなさも表現できた稀有なブルースマンであり、この曲、「Glory of love」や、「I get the blues when it rains」などは名曲中の名曲と言えるでしょう。

ギター1本の表現力がハンパではありません。

私、ダリ―ウメモもかなり練習しましたがこの域までははるかに遠いです。

まとめ:ビッグビルブルーンジーの音楽性は幅広い。アコースティックギター、歌の腕前もすごいブルースマンです。

聞けば聞くほど新たな発見があるブルースマンです。

 

そしてそのギターの表現域、表現力がとにかくすごい。1音で涙が出そうになります。

ブルースを知る上で避けては通れないブルースマンです。

 

ビッグビルに多い5弦のCがルート音のブルース。

ぼくも弾いてみました。まさにこのCのブルースはビッグビル節と言っていいでしょう。

他のブルースマンはあまり開放弦Cの曲はやりませんね。

ビッグ・ビル・ブルーンジーのオススメアルバム

数多くの録音が残ってます。ありがたい。

まずは若い頃から。

2017年限定盤↓



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