どうも、戦前ブルース愛好家のダリーウメモです。Blues弾き語りもやってますどうも。
今日は「墓のブルース」2選!という事で、2人の戦前ブルースマンを紹介します。
1人目はあの有名なブルースマン、ライトニン・ホプキンスの兄貴分だった伝説的ブルースマン、ブラインドレモン・ジェファーソン。
「頭を思いっきり殴られたような」と評されたその歌声と、その風貌はとても個性的。
その死も謎が多く、それがまた魅力的なブルースマンです。
2人目は12弦ギターを軽やかに弾くブラインドウィリー・マクテル。
かのボブ・ディランが「あんなギターで歌える人は今後もう出ないであろう」言ったことで有名。
ブラインドウィリーマクテルに関しては前回のこの記事でも↓
関連:ブラインドウィリーマクテル【Blind Willie Mctell】。12弦ギターのブルースマン。
ブラインドレモンジェファーソンの名曲See that my garave is kept clean.おらぁ、死んじまっただ・・・で、お墓はきれいにしてくれてるよね当然?そんな歌詞です。死者目線です。
ブラインド・レモン・ジェファーソン。奇妙な小太り男の息苦しそうなブルース
まずはこちらの↗動画を…。あなたの会社にもこんな風体の係長とか主任とかいませんか。
この方、BLIND LEMON JEFFERSON はウィキってみますと1893年生まれの説が有力だそうで、録音を残しているブルースマンではかなり初期の方です。
名前の通り 盲目の方。ブルースマンって盲目の人がけっこういます。現代よりもハンデを背負って生きる事ははるかに難しかったハズ。
「一芸」が無い=即死の世界。まさに生きるか死ぬかなんですよ。
お金にはシビアだった・・・という小話もチラホラ出てきます。が、当然ですよね。
この時代は今以上にがっつかないと…生きていけない。主張しないと…とにかく生きるのは大変だったのだと思います。僕には全部想像するのは無理なくらいに…。最期が中々ミステリーに包まれており印象的です。以下引用(ウィキペディアより)
しかし、順調にリリースを続け、キャリアを積んでいた矢先の1929年12月、シカゴで急逝する。嵐の中で遺体となって発見されたのだが、その死については記録がなく、正確な死亡日も含め詳細は現在も判っていない。毒殺された、交通事故死だった、寒さの中で心臓発作を起こしたなど、様々な説があるが、いずれも噂の域を出ていない。
(引用ここまで)
嵐の中…。盲目の中…。彼はいったい何をしていたんでしょうか…。悪魔に呼ばれてしまったのでしょうか…。
その最期のイメージの脳内で何回も再生されてしまいます…きわめてブルースな死に方と言えましょう。
で、歌の内容ですが 「一つ頼みがあるんだ・・・お願いだよ。聞いとくれ…。オイラの墓がちゃんと掃除されてるか…見てきておくれよ・・・」というメインテーマが繰り返され、「哀れな男が死んじゃったってワケ!」と妙に突き放したような明るさまで漂う内容となっております。
こういう態度って非常に僕はブルース的だと思うんですよ(ここ重要)。
ブルースって「オマエが好きなんだああ!」みたいな歌詞もありつつも、妙に「他人視点」の冷静な視座も見え隠れする歌詞が多いんです。ほんとに。こういう突き放した態度。
「ああ~俺の人生はおわったんだなあ~アハ…」みたいなのって日本の音楽では少ない気がします。 それこそ「能楽」くらいまでさかのぼらないと無いのでは…。その辺のフィーリングがブルースの魅力の一つですね。
You must lay some flowers on my grave.俺の墓にハニー、花を手向けておくれ・・・の不思議なカッコよさ。ブラインド・ウィリー・マクテルの鼻声が素晴らしい。
ブラインド・ウィリー・マクテル。自分の没後を軽やかに歌う稀代のブルースマン
ボブ・ディランも言ってた通りなんですけど、ブラインドウィリーマクテルみたいに歌える気が到底しませんね。
練習しても到達できそうに無い点。哀愁とか諧謔とかそういう押し付けがましい単語もいらないくらい歌が語ってくる。
ヤバイわけです。— ダリーブルース@ノースキルで40歳で割と詰んでる毎日 (@DallyUmemo) April 29, 2019
あれ・・・。この方はブラインドレモンの五個歳が下なだけなのか…。
ウィキペディアによると1959年まで生きてますから、当時のブルースマンの中では割に長生きした方でございます。
また動画をどうぞ
動画にドンと出てますが・・・海外のお墓ってなんでこんなにかっこいいんでしょうか(爆)?
故人の個性が本当に前に出てますよね~。いいなあ・・・。
ジミヘンのお墓なんてどんどん没後に豪華になっていってるみたいですよ。こういうノリいいですよね。いい外部サイトがありました。
さて、ブラインド・ウィリー・マクテルさんは・・・あ、前回のこの記事にも書いてましたね。
盲目の戦前ブルースマンの巨人!死者の目線からの墓のブルースを2つご紹介。12弦ギターの使い手です。歌詞をみていきますと・・・。以下引用↓
Now when I’m gone, to come no more
And the old pallbearers lay me low
When you hear that coffin sound
You’ll know McTell is in the ground
Hot mama, lay some flowers on my grave
はい、この歌詞の三行目~(英語の授業みたいだ)。coffin sound…要は棺桶のガタッという音・・・。これが別のサイトでは「coughing sound」=咳するゴホッていう音・・・ってなってます。
要は音同音を効かせたシャレになってるんですね。この辺のウィリーの余裕すごいと思いませんか?もう死んでるんだよ(爆)?
なんかやっぱ日本の能と通じている部分もある気がしてきました。能も結構 主人公が最初から死んでるパターン爆が多いみたいですよ。
ま、なんか死に対してこの余裕の持った達観した視座というのは・・・中々できない芸当ではないでしょうか! 尊敬してもいいのじゃないかな。
結論:ブルースの扱うテーマは現代でも全く古びていない!
どうしても「死」なんていう話は誰もしたくないですよね。特に日本では「縁起が悪いんだよ!」で一蹴でしょうなあまだまだ…。
ま、誰でも死というゴールは簡単に言うと自明、当たり前なんです。その中で精一杯 ヤッテみようよって事ですね!
毎日大変だけど!! 俺もはやく仕事に戻らないとダメなのにこんなの書いてますよ!!ブルース!
エンディングテーマはこれにします。悪魔がニコニコしながら見てるわけです。
関連:ブルース弾き語りって最初は誰から聴けばいいの?ライトニン・ホプキンスがおすすめです。
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